導入
ゴッドキャップシリーズ第1弾ドラグルトGと同時発売で、同じくゴッドキャップシステム(?)を搭載して生まれ変わったサーメッツGの登場です。
初期サーメッツはダブルスプリングトリガーとサーバーアームによりクイックな連射をコンセプトとした機体でしたが、 サーメッツGではクイックな連射というテーマは継承しつつ、 ボトルマンで初登場となる「ワンハンドトリガー」と、異形の横向き「2WAYサーバー」を装備した待望の片手撃ち連射機体となっています。
今回はその性能と、ゴッドキャップシリーズ最初の連射機としての構造に注目して進めたいと思います。それではスタート!
基本情報
- ゴッドキャップシリーズ
- 本体単品商品
- 価格¥1500(1364)
- 発売日2023/03/25
- ボトルマン本体(サーメッツG)x1
- ライトキャップx1
パッケージ
同時発売ドラグルトGと基本的に同じ様式のパッケージです。
内容物
大振りのトリガーやサーバーのパーツでボリューム感満点。ホールドパーツのローラは組み済み。 シールもドラグルトGと同様ヘアライン入りのメタリックとなっています。
ホールドパーツ(ローラーホールド)
形状等スペック的にはそのままで金型が新規になってますね。パーツの金型構造上での表裏が逆転して肉抜きが上面に来てます。
ローラー径には変化が無いけど、若干ローラーの軸が太くなってるような気もしなくはない?
Gコアフロント
ローラーも組み済みなので、コアフロントは今回もシンプルな構成。
なので、組み立て工程は省略。
ドラグルトのコアフロントと比較。
リアとの組み合わせ部分はもちろん共通ですが、前側のデザインはそこそこ違いますね。 ドラグルトコアにあったビッグキャップシューターのためのスリットも無いので、もちろんビッグキャップシューターは取り付け不可。
Gコアリア
今回のメインその1。「ワンハンドトリガー」です。
組み立てはについては、大きさが異なるだけで構造的にはドラグルトの標準的なトリガーと同じ構成。 せっかくなので組み立て工程も見てみましょう。
ロックリングをトリガーに通して、ボディの上下でトリガーを挟み込んで、ロックリングを動かして固定。
コアを前後で分割した恩恵を早くも発揮。 ワンハンドトリガーのようなトリガーベースで仕事をするタイプの大型トリガーも、 比較的シンプルな構造で成立させることができます。やったね!
ドラグルトトリガーとの比較。
トリガーは大型ですが、入力ストロークも出力ストロークもドラグルトと同じですね。 つまりDXよりもちょっとストローク長くて、組み換えでビッグキャップを発射する際も問題なく、ノーマルキャップでもトリガー押し出し効果が得られやすいってことや。
もちろん連射タイプであり、商品自体にもサーバーが付属してるわけなので、DXのスピードコア同様、マガジン接続用の穴が開いているわけです。
コアの完成
そしてドラグルトと同様に、コアの前後を合体させて、
コア完成!
うーん、今回、ドラグルトの時と比べると結構組付けがシブイですね。入れるときはまだしも、外すときは結構手こずる。
これは個体差というよりワンハンドトリガーの性質故の調整なんじゃないかな?どうしても最終的なロックが無いので、 発射を繰り返しで上下のズレが発生するとトリガーがすっぽ抜けてしまうから、それを防止するために上下のずらしの渋みを強くしていると。 ちなみにドラグルトのコアフロントにワンハンドトリガーを付けてもやっぱりシブイのでそういうことだと思います。
トリガー先端の切り欠きの秘密
さて、コアが完成したところで、ドラグルトの時に少し触れたトリガー先端切り欠きについて。
DXシリーズでは標準だったトリガー先端切り欠きが、ドラグルトでは無くなっていて、 なるほどマガジン装着の可否がトリガーユニット依存になったから連射トリガー以外ではそもそも連射を考えなくて良くなったのか的な話になったやつ。
サーメッツGでは復活しています!
まぁ、若干の端のリブを残してかろうじてコの字断面をしていますが、やっぱり基本カットしないとダメなようですね。
ここでは、今までその存在意義をモヤッとさせていたこの切り欠きについて、しっかりと向き合いたいと思います。
まず、そもそも強度的不安を抱えてまで先端上側をカットしなければならないのか?カットされてないドラグルトのトリガーを見てみます。 これを確認するのにライトキャップがちょうどわかりやすかったんですが、 マガジンの有無にかかわらずキャップを2発以上装填しておき、その状態でキャップを発射しようとすると、 トリガー押し出し面の上半分が2発目のキャップのフチに接触。 面取りがされているので引っ掛かってロックすることは無いですが、接触した2発目のキャップは上に跳ねてしまいます。
なので、トリガー先端上半分をカットすれば、2発目のキャップにトリガー先端が触れることが無くなり、貯蓄したキャップが跳ねて逆流することが無くなるわけです。納得。
さらに、今回のカットでは、DXでキャップを逆向きに入れてちゃんと待機位置になる前にトリガーで無理に押してしまったときに起こる、 トリガーがキャップに潜り込んでロックしてしまったうえ激しく変形して破損の恐れがある問題について解決されています。
コの字断面で左右のリブをギリギリ残してるのが功を奏してる感じ。そもそもトリガーが長いのも利いてるかもだけど。
しかしここで問題が発生してきます。
切り欠きによって発生した段差が2発目のキャップの淵に引っ掛かり、ストローク分すべて押し出せなくなっているのです。 無理に押すとヘッドアーマー基部がグニグニとたわんでしまうのです。
ストロークを活かせないしヘッドアーマー基部の強度も心配です。あとマガジンも動くのも良くない。 場合によってはマガジン外れますね。※キャップを逆向きに入れると多少外れる頻度は減りますね。
これDXシリーズではどうしてたのかな?と確認してみると、
なるほどギリギリ当たらない。そう、DXコアはGコアよりストロークが短いのです。
ちなみにスピードコアは、
さらに念のためヘッドアーマー基部の下側が切り欠かれてる。
この切り欠きはコントロールコアにもなく、スピードコアだけの特徴なので、何かしらマガジンに関連してると思われるんですけど、 実質マガジン付けるとマガジン自体が流路補正するため、この切り欠きがあんまり意味があるように見えないんですよね。 何か、角度的にはマガジンが無いときに2発目ストックするときにぴったりフィットするのでそのためなんじゃないかな? もしくはトリガー切り欠きが最終手段的に付けられたもので、それが無いときはこのヘッドアーマー基部切り欠きが機能してたとか?
まぁDXについてうだうだ考えてもしょうがないので今はGコアのことを考えましょう。
つまり、DXスピードコアのヘッドアーマー基部切り欠きをGコアのフロント全機種に設ければ事態が解決するのでは!?
と思ったけど、切り欠いてみるまでもなくダメでした。
マガジンがね、ヘッドアーマー基部以前に干渉するんですよ。
ヘッドアーマー基部を切り欠いたところで流路補正してるマガジンに当たって、結局ヘッドアーマー基部を持ち上げる力になってしまう。多分マガジン無ければ切り欠きの意味出てくるでしょうけど、そういうことじゃない。
まぁ、確実なのはトリガー側の切り欠きを奥の方に大きくしてしまうことでしょうね。
ただ、ワンハンドコアはトリガー嚙んでる幅も長いので多分問題ないでしょうけど、噛んでる幅が狭いノーマル系トリガーだと多分切り欠きが噛んでる幅突破してグラグラになりそう。 もう切り欠きを漸次的にすることで段差をなくすとか、新規開発目線ならどうせキャップの真ん中押せないならトリガー位置を少し下に下げるとか?
どうにも根が深い問題だなぁ。開発頑張って!としか言えない。頑張って!
ヘッドアーマー(SMヘッド)
さぁ、気を取り直して、引き続きアーマーを組んでいきましょう。まずはヘッドアーマー。
キャップを固定する台座状のパーツはドラグルトと同様に単品化されてますが、ドラグルトでは一体だったヘッドパーツとフェイスパーツが分離されてますね。やっぱりデザインである程度は出来る出来ないでパーツ分割は増やして行く感じのようです。
まぁ、例によってスパスパと組んでいくわけですが、
すげぇ、パチンついてる。これならバラバラしないですぞ。(組んだ後気づいてバラしたら白化しちゃった)
宝石パーツは今回も内側にメタリックシールを貼ります。
頭部完成!
細かいヒレ状のサイトが特長ですが、何ていうか、この、アイロンみたいなヘッドパーツもたまらなく好きなデザインですよね。
ヘッドパーツの、目の上のツバ部分の肉抜きから得られる栄養素があると思います。
アームアーマー(SMアーム)
アームアーマーは左右1パーツ構成のシンプルアーム。
シンプルながら、肩部のボリュームがそこそこあってカッケェ。
フットアーマー(SMフット)
フットアーマーもシンプルな1パーツ構成。
連射タイプらしく長いカカト。高さも標準タイプかな。
SM 2WAYサーバー
サーバーは基部とサーバー部上下の3パーツ構成。
パチパチっと組み合わせて完成。
この絶妙な角度よ。
SMキャップ
ロゴデザインはほぼほぼ継承。
ライトキャップ
極限まで軽量化されたキャップ。ここまでする必要が!?ってくらいの肉抜き。重さやスピードに関しては後ほど。
ちなみに、肉抜きしすぎて、「MADE IN CHINA」のエリアが無いです。もしかして単品売りされない理由がここに・・・
側面のギザギザはノーマルチャイナキャップより微妙に荒い感じです。
サーメッツGの完成
いうて、今回もまぁ通常のアーマー取り付けなんで省略。
一応サーバー部だけ見ときましょうか。
うん。DXと同じ方式の完全互換。
完成!サーメッツG
・・・良い
全体的な見た目のまとまりもそうですが、この、性能的に既知と未知が混ざりあったような何とも言えないバランス感。 何より、ずっと欲してきたワンハンドウイング(ウイング?)がとうとう実装されたことは個人的に感無量。
使用感
使用感と言っても、まぁ、最高なわけですよ。 私、人差し指と中指の間に球体発射玩具を挟んで生まれてきたみたいな人なんで、 このワンハンド操作感に勝るものが無いんですよねどうしても。
それでも言えるとすれば、指で持つ部分とトリガープッシュ面の距離感は、今までのボトルマンよりかなり人体に最適化した長さになってると思うんですよ。多 分今までボトルマン撃ちづらいと感じてた人もすごく撃ちやすく感じるはず。
あとほら、基本的に縦向きに持つ変則的なワンハンドなわけですが、
この縦向きが慣れないとか撃ちづらさを感じる人は、こう無理くり横向きに握って撃つこともできます。
いや、ローラーホールドなら抵抗少ないし案外撃ちやすいですよ。ブレやすくはありますが、 装填作業しないときは左手添えてあげれば安定して、これはこれでかなり扱いやすい半両手撃ちみたいになります。
個人的には、縦撃ちでも下のウイングに後ろから薬指を当ててやるのが最善。
これで親指に頼らず安定してホールドできるので、連射動作が確実になりブレも少なくなります。
ライトキャップの重さと速さ
さて、威力についても触れますかね。
まぁ、コアに関しては普通のローラーホールドなんで、どちらかと言えばライトキャップの重さと速さを検証。
重さ(g) | DGコア弾速 (km/h) | SMコア弾速 (km/h) | |
---|---|---|---|
ノーマルキャップ | 2.6 |
24.51
23.23
25.31
24.35
|
15.42 13.98 16.35 15.27 |
ライトキャップ | 1.9 |
23.80 27.41 22.96 23.62 |
13.89 14.86 16.35 15.03 |
重さ(g) | DGコア弾速 SMコア弾速 (km/h) | 運動量(kgm/s) | 運動エネルギー(J) | |
---|---|---|---|---|
ノーマルキャップ | 2.6 |
24.35
15.27
|
0.017
0.011
|
0.058
0.023
|
ライトキャップ | 1.9 |
23.62
15.03
|
0.013
0.008
|
0.042
0.017
|
※弾速は3回平均。トリガーはドラグルトG、アーマーはサーメッツGを使ってシンプルなコアの性能を比較。
はい。弾速がむしろライトキャップの方が遅いまであってしまいました。 もちろん平均値であるため、実際はある程度バラツキがあって、実質ほぼ同じくらいという印象。どうしてこうなった?
1つはライトキャップの形状でしょうか?天板が無いためたわみやすいのでホルパの反発をいくらか吸収しちゃうんだと思います。 2つ目はライトキャップの軽さゆえ。キャップは、発射時の終盤でホルパでの接触によって少し減速していると思われるんですが、 ライトキャップは軽いため惰性が弱くこの減速の影響が大きくなるんじゃないかと思います。側面のギザギザが微妙に荒いのも影響あるかな? うーんキャップ発射するボトルマンの奥は深いです。
ただ、ライトキャップの特長はむしろ軽さとたわみによる発射感の軽さ。箱にもそう書いてる。そういう意味では軽快にスパスパ撃てるのは間違いないです。
まとめ
そんな感じでサーメッツGのレビューでした。片手撃ち、良い。
ワンハンドトリガー、ローラーホールド、サーバーと、片手撃ち連射機としての標準にして至高ともいえる装備で片手撃ちの魅力を十二分に発揮してくれてます。 これで片手撃ちユーザーが増えて、片手撃ち機の人気と需要によって新型の片手撃ち機がじゃんじゃん出てくれれば良いなぁ。
惜しむらくは、Gシリーズのトリガーストローク長ゆえの頭部パコパコ問題。いい感じで改善していただいて、連射の魅力をしっかり発揮できるよう頑張っていただきたいです。
2023/04/29